2014年2月25日火曜日

2014.3.12 Tommy Dorairo 「メルロ=ポンティと身体論」11

ゲシュタルト理論の言う「図-地」、そしてフッサールの知覚理論にあった「諸現出-現出者」は、かりそめにも客観世界が外にあり、知覚がそれを単純に受容している、ということでなく、知覚は、経験としてその都度、部分的に与えられるものであることを示すと言われます。

水平線上の月と天頂付近の月の大きさを思い出してみましょう。水平線上の月は大きく、天頂の月は小さく見えます。同じ大きさの月が違って見える。これが意味するのは、知覚のパースペクティブ性です。部分を担っているような視点、始まりの点があるということです。知覚には、「今ここから」というパースペクティブ性が常につきまとっている、ということです。

私たちの知覚がパースペクティブ性を伴い、知覚が誤りも含め、部分的にしか経験されないのは、知覚する主体が何もかもを見通せる神のような存在ではなく、身体を持った主体だからである、メルロ=ポンティはそう考えました。それは、物理(生理)因果的関係に還元されるのでもなく、精神によって操られる道具としてでもない、主体としての身体です。

フルログはこちら

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セミナー内では特に言及していませんが、さまざまな文献を参照しています。
以下、主な邦語文献を記載します。

加賀野井秀一『メルロ=ポンティ』
木田元『メルロ=ポンティの思想』
木田元『現象学の思想』
谷徹『これが現象学だ』
ダン・ザハヴィ『フッサールの現象学』
村田純一『知覚と生活世界』
鷲田清一『メルロ=ポンティ』

2014年2月20日木曜日

3月のキラカフェ情報

3月5日(水) 

「哲学入門セミナー」は、講師、Tommy Dorairoさんの都合により、次週に順延させていただきます。

3月12日(水)22:00-23:00
哲学入門セミナー Tommy Dorairo 
今回は「メルロ=ポンティと身体論」11、最終回です。メルロ=ポンティは、「地と図」を属性とするゲシュタルトの知覚理論のほか、その身体論の核に、抽象、一般化の既成観念を廃した「直接経験」を基盤とするフッサールの知覚論を据えました。これらが、あらゆるものは、身体を中心として把握される。身体は、そこから視界が開けるところ、行動が開かれるところである。メルロ=ポンティがパースペクティヴの中心、ゼロ地点という言葉で表現した身体論に、どう結実して行くでしょうか。
(すべてテキストで行います)

3月18日(火)22:00-23:00
「藝術講座」23 Comet Morigi 
毎月恒例の美術を中心とした藝術講座です。「建築家のオリジナリティ」4を予定しています。
(すべてテキストで行います)

3月25日 (火)22:00-23:00
「フリートーク」 
毎月一回行っている、特にテーマを決めない集まりです。最近気になっていることや、キラカフェでの催しなど、ざっくばらんな会話をお楽しみください。
(すべてテキストで行います)

場所は、特に指定のない場合はキラジャパンのカフェになります。

ぜひ、参加くださるとともに、ブログ、SNSなどで宣伝してください。 なお、予定はやむをえない事情により変更になる場合があります。ご了承ください。

2014年2月19日水曜日

2月25日のキラカフェは

次回のキラカフェは、フリートークです。テーマを決めない、ざっくばらんなお話し日。最近気になっている話題、キラカフェでこういうことをしてはという提案、気楽に集まってお話ししましょう。

場所はいつものキラジャパンのカフェです。
午後10時から11時まで。
すべてテキストで行います。

2014年2月12日水曜日

2月18日のキラカフェは

藝術講座22 Art Seminar, comet Morigi
       Philip Johnson, Glass House 1949, AT&Tビル設計者の自邸
建築家のオリジナリティ 3 (モダニズムとポストモダン)
Originality of an architect 3 (Modernism & Postmodern)
作品の様式・技法を解析して、影響関係・制作時期を特定できます。
その方法は、言語や遺伝子を比較して、系統を描くことに、似ています。
当講座の場にもなった美術館建築を作例に、建築家のオリジナリティを探ります。
You can identify where/when a work is from, with analysis of its style or techniques.
That way is analogous to comparative-linguistics or molecular-phylogenetics.
We’ve been having this seminar at the museum architecture,
that is an example for what is originality of an architect

・磯崎新のピラミッド
・ポストモダンの破風 AT&Tビル
・誰が作品の帰属を判定するか。
・原作を知らずに模倣できるか。
・ブリュッセル万博’58  アトミウム
- Arata ISOZAKI’s Pyramids
- the Postmodern pediment; AT&T building.
- Who attributes a work to someone ?
- Can you imitate an original that is unknown for yourself ?
- Atomium, Expo‘58 Brussels.
場所が変わります。今回はキラジャパンで行います
2月18日(火)午後10時から11時まで。
at KiraJapan, Feb.18 6-7AM SLT
Basically in Japanese with some English. You can attend with machine-translation.

2014年2月6日木曜日

2月11日のキラカフェはお休み


2月11日火曜日のキラカフェは、祝日につき、お休みします。
翌週は藝術講座を予定しています。
写真提供:Allen McDermid