動画作成:Rianna Demia
「SL世界の物理法則-2- 風と雲の話」
SL内自然環境を観測して法則を読み取ってみよう、ということで、SL内の風のわたりを観測しました。SLの風はどう動き、雲はどう作られるのか。RLの風と雲とどう違うのか。
SL世界の風を可視化する、パーティクルに質量はあるか?などについてお話いただきました。
(1) アバターの落下速度の秘密
物理プリムの落下(重力加速度は9.0m/秒らしい)と異なり、アバターの落下速度には上限があるが、その原因について、物理プリムにフレキシをリンクしても、あるいは材質を肉にしても変わらないことが判明している。それに対し衣服や髪を装着している影響はどうかという提案が前回の出席者からあった。
残念ながら、それを実施した出席者はいなかったが、丸裸の人が着用している友人と一緒に落下する実験を行うのはかなり恥ずかしいと思われる。恥ずかしくないよう色付きスキンを着てはとの提案があり、今後の挑戦に期待したい。
(2) 3つ目のありえない偶然
SL世界の物理法則や天文現象は、結局はプログラマーの都合によるわけだが、現実世界もひょっとしてより高次の生命体によるシミュレーションかもしれない。起きそうにない偶然を3つ発見できれば、現実世界もシミュレーションであると疑った方がよい。
一つ目の偶然は有機物が重合してDNAができたこと、二つ目はわれわれが皆既日食を観測できる知性体として地球に生きていること、そして三つ目を探してくるというのが宿題であった。
講師が見つけたのは、氷期・間氷期サイクルが約100万年前から4.1万年周期から10.0万年周期に変わったということ。日射量が変わる要因として地軸傾斜角や公転軌道の偏心率の変化があるが、9.5万年や12.5万年周期はあっても10.0万年周期というものはない。大西洋の堆積物コアから過去の気温変化を復元すると、10.0万年周期のするどいピークがあり、これから十進法を使う知性体が約百万年前からシミュレーションを始めたのが現実世界の正体ということになる。
ところがその後グリーンランド氷床でより精度の高い気温の復元が行われ、それによると10.0万年周期はするどいピークではなく幅の広いピークとなっており、あいまいな結果に変わってる。
2.SL世界の風と雲
(1) 風comet Morigiが煙突からパーティクルの煙を長くたなびかせようとして、風が空間的にも時間的にも変動していることを発見。それをきっかけにSIM全体の風の変動をリアルタイムで可視化する「風の展望台」を作って、SIM内には常に3~4個の風の渦があって、それが時間的に変動していることを明らかにした。
ある大学院生がその大元となるJos Stamの論文を見つけてきて、16mメッシュで2次元圧縮性流体計算を行っていることが判明。さらに16mメッシュよりも小さな渦構造があるかを調べるためにフレキシを利用した草むらセンサーを工夫してメッシュ間は線形近似していることを確かめている。
(2) 雲次に彼女たちは、この風と雲(天球に投影されている雲ではなく、高度190m前後にパーティクルで作られた雲)の関係を調べようとするが、リンデンの社員に聞いても真相は不明という。
雲の変動はセルオートマトン法によって計算されているが、それが増えたり減ったりするアルゴリズムとして、私は現実の現象と同じように気体である水蒸気が凝結して、液体である雲粒になることを使っていると思った。ところが、雲量を取得するLSL関数はあっても湿度を取得するLSL関数は公開されていない。
あくまでも非公開なのか、それとも湿度は使わずに、当初、雲量最大で雨が降って雲量が減るというアルゴリズムのところ雨は住民の迷惑になるということで降らなくなったが、アルゴリズムは当初のまま雲量だけで変動させているのかもしれない。cometはそう考えてる。彼女はさらに発生した雲(パーティクル)がどのように動くのかを観察できる新しい展望台を考え出した。
実は、私は上空から雲を見下ろして雲の動きを観察する限り、3~4の渦が存在する風の動きとは異なり、SIM全体で大きく回る状況が観察でき、サーバーが計算する風とは別のもので動いていると推測した。ところが、cometが作った新しい展望台は、発生した雲パーティクルが風に運ばれていることを明確に示してくれた。
彼女たちの取り組みは、実際に観測方法を工夫して確かめることの大切さを私たちに教えてくれている。セカンドライフは自らそういう工夫を行って隠された法則を見つけ出すことのできる格好のフィールドである。
3.見学会
cometの「風の展望台」と「風と雲の展望台」の見学会を行った。
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